ホームページの表示速度を測ると、点数と色で結果が出ます。赤い点数を見ると全部直したくなりますが、点数を上げることと、訪問者が困らないことは同じではありません。どこまで気にすればいいのか。見る指標、原因を疑う順番、やりすぎの害まで整理しました。
私は北海道東川町でWeb制作をしていて、IT/Webの仕事に関わって17年になります。WordPressの構築や保守、サーバー移転も担当してきました。指標や仕様は、Googleとエックスサーバーの公式の案内をもとに説明します。
この記事で確認すること
1. 「速さ」は3つの指標で見る
「遅い」と一口に言っても、最初の画面が出るのが遅いのか、押したボタンの反応が遅いのかで、直す場所が変わります。Googleはページの体験を測る指標として「Core Web Vitals(ウェブに関する主な指標)」を定めていて、中身は次の3つです。
- LCP:画面内でいちばん大きな画像や文章のかたまりが表示されるまでの時間。良好の目安は2.5秒以内
- INP:押す・入力するといった操作に、画面が反応するまでの遅れ。良好の目安は200ミリ秒以下。2024年に、それまでのFIDに代わって加わった指標です
- CLS:読み込みの途中で、文字やボタンが予期せずずれる量。良好の目安は0.1以下
判定はモバイルとパソコンを分けて、訪問の75パーセンタイル(4回に3回はこの値に収まっているか)で行われます。
測るなら、GoogleのPageSpeed Insightsが手軽です。URLを入れると2種類の結果が出ます。ひとつはChromeの利用者から集めた過去28日間の実際の数値、もうひとつは1台の端末での読み込みを模擬した数値です。アクセスの少ないページは実際の数値が足りず、サイト全体の値に切り替わるか、表示されないこともあります。
2. 点数の100点は目指さなくていい
模擬測定のほうには点数が付き、90以上が良好、50〜89が改善が必要、50未満が不良と色分けされます。目に入りやすいので、この点数を上げる仕事だと受け取られがちです。ただ公式の説明でも、模擬測定の結果は回線や端末の状況でばらつくとされています。
検索順位との関係も、冷静に見ておきたいところです。Googleの検索セントラルは、Core Web Vitalsをランキングで考慮する要素のひとつとしつつ、良い結果が出ても「上位に表示されることが保証されるわけではありません」と書いています。
ですから事業サイトの速度は、点数のためではなく、訪問者が困る場所を直すために見ます。優先したいのは次の3つです。
- スマートフォンの回線で、最初の画面が出るまで。外出先で店名を調べた人が、白い画面のまま待つ場面です
- 問い合わせフォームや予約ボタンの反応。押しても反応がないと、二度押しや離脱につながります
- 読み込み中のずれ。押そうとしたボタンが下へ動き、別のリンクを押してしまう状態です
3. 原因は「画像→プラグイン→サーバー→テーマ」の順に疑う
原因を探すときは、手間が小さく、戻しやすいものから順に疑います。
最初は画像です。LCPの対象には画像や背景画像が含まれるので、トップの大きな写真がその要素なら、写真の重さがそのまま待ち時間になります。スマートフォンで撮った写真をそのまま載せていないかを見てください。WordPressは5.3以降、幅か高さが2560pxを超える画像をアップロードすると縮小版を作り、それを最大サイズとして使います。2560px以下の画像は、縮小されないまま最大サイズとして残ります。また、幅と高さの指定がない画像は読み込み後にまわりを押し下げ、CLSの原因になります。
次にプラグインと外部のスクリプトです。チャット、地図、SNSの埋め込み、解析タグなど、ページの外から読み込むものは、操作の反応にも響きます。使っていないものは止め、止める前と後で同じページを測って比べます。
その次がサーバーです。契約中のプランやサーバーを確かめるだけなら費用はかからず、プランの変更も申請で行えます。見直し方は次の節で書きます。
テーマは最後です。見た目の部品を多く積んだテーマやページビルダーは、読み込むファイルが増えがちです。ただしテーマの変更はサイト全体の作り直しに近く、戻すのも大がかりになります。
4. サーバーが原因のときに見直すこと
画像を軽くし、不要なスクリプトを止めても遅さが残るなら、サーバーの契約内容を確かめます。
私はエックスサーバーを使っているので、その仕様で説明します。公式のサーバー仕様一覧では、CPUとメモリの「リソース保証」がプランごとに決まっていて、上位プランほど大きく、同じプランでも収容されているサーバーの世代(サーバー番号)によって値が違います。古いサーバーには保証のないものもあります。リソース保証は公式の説明では「負荷上昇などによるサーバー速度の低下を避けるため」の仕組みです。
見直す順番は次のとおりです。
- 契約中のプランとサーバー番号を確かめる。仕様一覧はサーバー番号の範囲ごとに値が載っています
- 上位プランへの変更を検討する。公式マニュアルでは、上位プランへの変更は申請後すぐに適用、下位プランへの変更は翌月1日から適用とされています
- それでも足りなければ、サーバー自体を移す。段取りはWordPressのサーバー移転で、事前に確認しておくことにまとめています
契約する前に見ておきたい点は、エックスサーバーを事業サイトに使う前に確認したい、5つのことで整理しています。
5. 自分でできる確認と、頼む範囲
自分たちでできる確認は、意外と多くあります。
- PageSpeed Insightsで、トップページと問い合わせページをモバイルで測り、日付と結果を残しておく
- 自分のスマートフォンでWi-Fiを切り、モバイル回線でトップを開いてみる
- フォームを実際に入力して、送信までの反応を確かめる
- Search Consoleを使っているなら、Core Web Vitalsのレポートで遅いと判定されたページがないかを見る
- 画像は載せる前に、表示する大きさに合わせて縮小する
頼んだほうがよいのは、どの要素がLCPになっているかの特定、スクリプトの読み込み順の調整、テーマの改修、サーバーの設定変更や移転です。どれも、直した結果として別の場所が壊れていないかの確認がセットになるためです。
依頼するときは、測ったURLと日時、遅いと感じる場面(どの端末で、何をしたとき)、止められない機能を伝えると、切り分けが早く進みます。速度はプラグインの追加や更新でも変わるので、一度直して終わりにはなりません。保守のどこに含めるかはWordPressサイトの保守を、自分たちでやるか、外に出すかで整理しています。
6. やりすぎると、かえって困ること
速度の改善には、やりすぎの害もあります。
ひとつはキャッシュの重ね掛けです。キャッシュは、表示結果を一時的に保存して使い回す仕組みです。キャッシュ系のプラグインを複数入れたり、サーバー側の機能と重ねたりすると、更新が表示に反映されない、表示が崩れるといったときに、どこが原因かを追いにくくなります。エックスサーバーにはXアクセラレータやブラウザキャッシュ設定があり、公式マニュアルでは、会員制や通販のように訪問者ごとに表示が変わるページでは効果が出づらい場合があるとされています。プラグインを足す前に、サーバー側で何が有効かを確かめてください。
もうひとつは画像の過圧縮です。商品や店内の写真が粗くなれば、速さと引き換えに信用を落とします。
WordPressは5.5以降、幅と高さが指定された画像に遅延読み込み(画面に近づいてから読み込む指定)を標準で付けています。同じ働きのプラグインを重ねる前に、必要かどうかを確かめます。点数のためにフォームや地図を外すのは、順番が逆です。
このサイトでも、点数だけでは判断しませんでした
2026年10月のこのサイトの調整では、同じ設定による単発の比較で、LCPが3.080秒から2.557秒、リクエスト数が115から106になりました。一方、パフォーマンスの点数は91から90でした。点数が上がった結果ではありません。
一度の測定で、すべての訪問者の体感や実際のCore Web Vitalsが改善したとは言えません。画面が出るまでの時間と、スマートフォンで文字演出や問い合わせが動くかを別々に確認します。画像も、軽くするだけでなく、記事の内容が伝わるかを見て選びます。
いまのサイトが遅いと感じる方は、測ったURLと、遅いと感じる場面を教えてください。どこから手を付けるかの切り分けからご相談に乗ります。ホームページ制作のお問い合わせ
確認日:2026年10月2日。仕様は変更される場合があります。作業前に公式サイトの最新情報をご確認ください。
