店舗にホームページは必要か。答えは店の条件で変わります。新しいお客さんが地図とSNSから来て、問い合わせの窓口が1つで足り、載せる情報があまり変わらない店なら、SNSとGoogleマップで足りることもあります。足りなくなるのはどんな場合か、判断の軸ごとに整理しました。
私は北海道東川町でWeb制作をしていて、IT/Webの仕事に関わって17年、これまで50件以上の案件を担当してきました。作る側の人間ですが、この記事は「作らなくてよい場合」から書きます。Googleの仕様は公式ヘルプをもとに説明します。
この記事で確認すること
1. 3つの道具は、受け持つ仕事が違う
SNS、Googleマップ、ホームページは、どれも「店の情報を載せる場所」に見えます。けれど受け持つ仕事が違います。
Googleマップに出る店の情報は、Google ビジネス プロフィールで管理します。公式ヘルプでは、マップと検索での表示を無料で管理でき、営業時間・ウェブサイト・電話番号を表示し、写真や動画の投稿、クチコミへの返信ができるとされています。探している人に「場所と、いま開いているか」を伝える道具です。
SNSは、店の今の様子を流す道具です。新作、入荷、混み具合。新しさが強みですが、投稿は時間とともに流れていきます。
ホームページは、店が自分で持つ場所です。メニューや料金、店の決まりごとなど、しばらく変わらない情報と長い説明を置きます。「どれが正しい情報か」の元になる場所です。
3つは置き換えではなく分担です。必要かどうかは、ホームページが受け持つ仕事がその店にあるかどうかで決まります。
2. SNSとGoogleマップだけで足りる店
次の3つがそろうなら、SNSとGoogleマップで足りる場合があります。
- 新しいお客さんの入口が、地図検索とSNSで完結している
- 予約や問い合わせの窓口が1つで済む(電話だけ、など)
- 載せる情報があまり変わらない(メニューや料金を頻繁に変えない)
Google ビジネス プロフィールでできることは、思うより多くあります。祝休日などの一時的な営業時間の変更は「特別営業時間」で設定でき、7日以上続く休業や期間未定の休業は臨時休業として扱います。予約を取る、席を確保する、料理や商品を注文する、メニューを確認するといったリンクも追加できます。予約サービスを使っていれば、その入口をプロフィールに置けます。
この形なら、先にやるべきはホームページ作りではありません。プロフィールの情報を正確に埋めて、保つことです。作る費用と手間を、その維持に回したほうがよい店もあります。私も、予算が合わなかったお店に、自分から「まずSNSで十分では」とお伝えしたことがあります。
3. 足りなくなる条件1:情報が多く、よく変わる
メニューや料金、営業時間の変更が多い店は、情報の置き場所が問題になります。SNSに最新の料金を投稿しても、古い投稿は残ります。見る人によっては、古いほうを先に目にします。
Google ビジネス プロフィールも、店だけが書き換える場所ではありません。公式ヘルプによれば、Googleはユーザーからの報告などをもとにプロフィールを更新することがあります。一部の提案は公開前に通知が届き、4日以内に承認か拒否をしないと、ビジネスのウェブサイトなど一般公開されている情報で裏付けられる更新は、自動的に公開されることがあるとされています。
公式の説明では、裏付けに使われる情報の例として、ビジネスのウェブサイトが挙がっています。情報が多く、よく変わる店ほど、正しい情報の元(正本)を1か所に決め、プロフィールとSNSをそこに揃えるほうが管理しやすくなります。ホームページは、その正本を置く場所の候補になります。
ただし、作っても更新されなければ、古い情報の置き場所が1つ増えるだけです。
4. 足りなくなる条件2:予約・採用・法人取引がある
店の外の人と、決まりごとをやり取りする場面がある店も、SNSと地図だけでは足りなくなりがちです。
- 予約:受付の方法だけでなく、キャンセルの扱い、人数や時間の決まり、当日の注意を、予約する前に読める場所が要ります。予約サービスへのリンクはプロフィールに置けても、決まりごとの説明までは収まりにくい
- 採用:応募を考える人は、働く条件と店の考え方を確かめます。SNSでは、募集の投稿が新しい投稿に押し流されます
- 法人取引:取引を始める前に、相手の事業者名・所在地・連絡先を確かめる会社があります。それがまとまったページがあれば、確認が早く済みます
どれも、一度書けばしばらく変わらず、長めの説明が要る情報です。SNSの投稿やプロフィールの欄より、ホームページの1ページに向いています。予約サービスや求人サービスを使う場合も、店の側に「正しい条件はここ」と言える場所があれば、窓口が増えても説明がぶれません。
5. 足りなくなる条件3:窓口を失えない、店名以外でも探されたい
SNSのアカウントは、運営会社の規約のもとで使わせてもらっている場所です。たとえばInstagramの利用規約には「コンテンツの削除およびアカウントの停止または終了」という項があり、規約やポリシーに違反した場合などに、サービスの全部または一部の提供を直ちに拒否または停止できるとされています。
予約や問い合わせをDMだけで受けている店では、アカウントが止まると窓口が消えます。止まったときに業務まで止まる店は、窓口を2つ持っておくほうが安全です。自分で持つホームページは、その2つめになります。
もう一つは、店名を知らない人に見つけてもらいたい場合です。Googleの公式ヘルプでは、ローカル検索の結果は主に関連性・距離・知名度で表示されるとされています。関連性は検索語句とプロフィールの合致の度合い、知名度はリンクしているウェブサイトの数やクチコミの数などの情報に基づくと説明されています。
「地名+料理名」のように店名以外の言葉で探す人に向けては、何を出している店なのかを言葉で説明しておく必要があります。ホームページは、その説明を書ける場所の一つです。ただし、作れば検索で上に出るという約束は誰にもできません。
6. 作るなら、1ページから始められる
足りない条件に当てはまっても、最初から何ページも作る必要はありません。1ページに次の情報があれば、正本の役目は果たせます。
- 何の店か:一文で
- 主なメニューと料金:変わるものは「変わることがあります」と書く
- 営業時間と定休日:臨時の変更をどこで知らせるかも
- 場所:住所、地図、駐車場の有無
- 予約・問い合わせの窓口:1つに絞る
- 最終更新日
作ったあとに大事なのは、情報の正しさを保つ運用です。変更があったら、ホームページ、Google ビジネス プロフィール、SNSの順に直す。直す人を1人決める。これだけで、3か所の情報がずれにくくなります。公開後に確かめることはホームページを公開した日にやること、1週間以内にやること、1か月以内にやることにまとめました。
費用は、ページ数より作業の範囲で決まります。考え方はホームページの制作費は、何で決まるのかに、AIで自分で作る場合に何が残るかはAIでホームページはどこまで作れるか(作れない部分の話)に書きました。
営業時間・メニュー・予約の情報を、一つの入口にまとめる
飲食店なら営業時間・定休日・メニュー・アクセス、予約制の店なら料金・所要時間・予約方法を、初めて来る方が探せる場所にまとめます。SNSに投稿した情報を全部転載する必要はありません。来店前の判断に必要な内容から揃えます。
- 営業時間:通常の営業時間と、臨時休業のお知らせを区別する
- メニューや料金:画像だけにせず、名称や料金を文章でも読めるようにする
- 予約方法:電話か予約サービスかを明示し、スマートフォンで操作を確認する
- アクセス:住所、駐車場、入口など、初めて来る方が迷う点を補う
店舗以外も含めて、そもそもホームページが必要かを考える場合は、個人事業主にホームページが必要かを判断する記事をご覧ください。この記事では、作ると決めた店が何を載せるかを整理します。
ホームページが要るかどうかの判断から相談したい方は、店の状況を教えてください。作らないという判断も含めて、整理からご相談に乗ります。ホームページ制作のお問い合わせ
確認日:2026年10月2日。仕様は変更される場合があります。設定の前に公式ヘルプの最新情報をご確認ください。
