「SEO対策しませんか」という電話やメールが来たとき、その場で何を聞き、どう判断し、どう断るか。Googleが公式に出しているSEO業者の注意点を手がかりに、小さな事業者が確認したいことと、自分でできる最低限を整理しました。
私は北海道東川町でWeb制作をしていて、IT/Webの仕事に関わって17年になります。顧客から「SEO業者から電話があったが、契約すべきか」と相談されたことがあります。SEO(検索エンジン最適化。検索結果に出やすくするための取り組み)そのものは、まっとうな仕事です。ただ、電話一本で決めてよい話ではありません。
この記事で確認すること
1. Googleは「SEO業者の注意点」を公開している
最初に知っておきたいのは、Google自身がSEO業者の選び方について公式の案内を出していることです。サイト運営者向けの「Google検索セントラル」にある「SEO 業者の利用を検討する」というページです。
そこには、依頼する前に業者へ尋ねる質問の例と、注意点が並んでいます。営業の電話を受ける側に特に関係するのは、次の4つです。
- 順位の保証:「Google で一番上に掲載されることは誰にも保証できません。」
- Googleとの関係:「Google との「特別な関係」を強調する業者、Google への「優先登録」を宣伝している業者には注意が必要です。」
- 説明しない相手:「隠し立てする会社や、行動の目的を明確に説明しない会社には、用心してください。」
- 不審な連絡:「不審なメールを送信する SEO 業者、ウェブ コンサルタント、代理店にご注意ください。」
同じページには、業者が人を欺くようなコンテンツを作った場合、そのサイトがGoogleのインデックス(検索の対象として登録された一覧)から削除される可能性がある、とも書かれています。影響を受けるのは、依頼した側のサイトです。誰に頼むかを決める責任は、こちらに残ります。
2. 電話口で聞く4つのこと
連絡が突然だったかどうかで、相手を判断する必要はありません。見るのは、聞き返したときに具体的な答えと書面が返ってくるかです。
その場で聞くのは次の4つです。
- 具体的に何をするのか:記事を書くのか、サイトの設定を直すのか、外部にリンクを張るのか。「対策します」の先が出てこなければ、そこで話を止めてかまいません。
- 成果をどう約束するのか:順位を約束すると言われたら、上の公式の一文と照らし合わせます。Googleの案内でも、期待される結果とその時期、成果の測り方を業者に尋ねる質問例が挙げられています。
- 契約期間と解約の条件:最低契約期間はあるか。途中でやめるとき、残りの期間の費用はどうなるか。月額の安さより、総額とやめ方を聞きます。
- 自分のサイトの何を触るのか:WordPressの管理画面、サーバー、Search Consoleのどれに、どの権限が要るのか。
最後の点は特に大事です。電話口でログイン情報を伝えるのはやめてください。Googleの案内でも、SEO監査(サイトの現状診断)の提案を受けた場合は「Search Console への読み取り権限のみを付与してください」とされています。Search Consoleの権限には所有者・フルユーザー・制限付きユーザーの段階があり、所有者はユーザーの追加や削除までできます。最初から所有者の権限を渡す理由はありません。渡すのは制限付きユーザーまでにします。
3. その場で決めない。書面で受け取り、断るときは一言で
電話では決めない。これを最初から自分のルールにしておくと、受け答えが楽になります。
- その場で返事をしない:「この場ではお返事できません」で十分です。急かされても、こちらに急ぐ理由はありません。
- 書面で受け取る:作業内容、費用の総額、契約期間、解約条件が書かれた資料をメールで送ってもらいます。口頭の説明と資料の内容が違っていれば、資料のほうを基準にします。
- 今のサイトを作った人に見せる:制作者や保守の担当がいるなら、資料を見せて意見を聞きます。サイトの中を触る話なら、なおさらです。
断るときは、理由を細かく説明しなくてかまいません。相手の説明に反論する必要もありません。たとえば次のような一言です。
- 「今は検討していません。今後のご連絡は不要です」
- 「ホームページのことは制作をお願いしている方に任せているので、そちらで判断します」
- 「必要になったらこちらから連絡します。資料も不要です」
同じところから何度も連絡が来るなら、社名・日付・用件をメモに残しておきます。次に別の人が電話を取っても、同じ対応ができます。
4. リースや長期契約の勧誘は、別に考える
SEOの話から、ホームページの作り直しや、制作費を月々の支払いにするリース、複数年をまとめた契約の話に移ることがあります。この種の契約は、途中でやめられるか、やめるといくらかかるかが契約書の条件で決まります。サインする前に、総額、期間、途中解約の扱い、そしてサイトのデータやドメインが誰の名義になるのかを書面で確かめてください。名義の考え方は事業用ドメインの取り方と、契約者を誰にするかで整理しています。迷ったら、サインする前に書面を、契約に利害のない人に見てもらってください。
5. 自分でできる最低限は、Search Consoleを見ること
業者の話を聞く前に、自分のサイトがいま検索でどう見えているかを知っておくと、判断がしやすくなります。そのための道具が、Googleが提供しているSearch Consoleです。
「検索パフォーマンス」のレポートでは、クリック数、インプレッション数(検索結果に表示された回数)、CTR(クリック率)、平均掲載順位を見られます。表の「クエリ」を開けば、どんな言葉で検索されて表示されたのかが分かります。最初に開いたときは、過去3か月分が表示されます。
見るところは2つで足ります。
- 店名や社名で検索されたとき、自分のサイトが表示されているか
- 「地域名+業種」のような言葉で、少しでも表示されているか
店名で表示されていないなら、外からの対策より先に、サイトが検索の対象に入っているか、設定に問題がないかを確かめる段階です。WordPressのSEOプラグインも、たくさん入れる必要はありません。考え方はWordPressのSEOプラグインは、最小構成でいいにまとめています。この画面を一度でも自分で見ておけば、「対策が必要です」と言われたときに、何が足りないのかを自分の言葉で聞き返せます。
6. 頼むなら、サイトの土台とセットで考える
SEOを外に頼むこと自体は、悪い選択ではありません。Googleの案内でも、依頼を始めるのに適した時期として、サイトの作り直しを考えているときや、新しいサイトを計画しているときが挙げられています。検索の対策は、サイトの構成や更新の体制と切り離しにくい、ということです。
持ちかけられた話を比べるときは、次の2つを並べてみてください。ひとつは、今のサイトを直す、あるいは作り直すのに何がかかるか。考え方はホームページの制作費は、何で決まるのかに書きました。もうひとつは、公開後に誰が更新し、誰が不具合を見るのか。こちらはWordPressサイトの保守を自分たちでやるか、外に出すかで整理しています。
更新が止まったサイトや、誰も中身を把握していないサイトに対策費を払い続けても、できることは限られます。土台を確かめてから決めても、遅くはありません。
営業の話をきっかけに、サイトの作り直しや公開後の体制を見直したい方は、いまのサイトと困っていることを教えてください。ホームページ制作のお問い合わせ
確認日:2026年10月20日。仕様は変更される場合があります。最新の内容は各公式ページでご確認ください。
